テストへの向き合い方
英語を教えていると避けて通れないのが「テスト」です。
私の勤務していた塾の会議で 「どうすれば子供たちのやる気を出せるか」という議題が上がりました。 塾では「どうすれば成績が上がるか」を、常に講師に問うています。 素晴らしいことですね。
会議の結果、「毎週の小テストの成績を教室に貼り出す」という方針が決定されました。
私の教えているクラスには、毎週のテストで競争心を煽って「覚えさせる」ことが向かない子供が8割ほどいる印象でした。 英語が得意な4人ほどの生徒はやる気が出るかもしれませんが、それらの子たちは既に競争心を煽らなくても自律的に英語を勉強をしていました。
私が教えたかったのは、 「英語を理解できると楽しい」ということ「世界が広がる」ということです。
英検に受かるための穴埋め問題なら、自分で問題集を解いて繰り返し覚えれ わざわざ塾に来なくても良いと思うのです。 結局、「自分の頭」で覚えなければならないので、塾にくるヒマがあれば一人で覚えた方が効率的だと思います。
中にはやる気のある素晴らしい先生もいますが、学生アルバイトがたくさんいると、授業の質を保つのは不可能です。自分自身、大学生の時にも塾講師をしていましたが、今考えると「穴があったら入りたい」と思うほどに視野の狭い授業をしていました。 進学塾の講師の仕事は、「問題の解き方を教えること」と「宿題をやらせる」ことが主で、生徒と保護者に発破をかけなければなりません。 そうすると、機械的にできる「テスト結果を貼り出せばよい」という方針になるのです。
自分が親になり、自分の子供の長期的な成長を考えると、生徒たちの長期的な成長を願わずにはいられないのです。 そうすると、毎回の小テストの結果を貼り出すことで子供を盲目的に従わせるのには疑問符がつきます。
テストは大切です。 自分がどこが理解できていて、どこがわからないかを知ることで勉強の効率が上がるからです。
大村はま記念国語教育の会事務局長の苅谷夏子さんは、テストを大きく2つに分類しています。改善のヒントを得るための「状態を把握するための試験」と、選抜のための「ふるいにかける試験」です。本来の小テストなどは前者のテストで、入試やクラス分けテストが後者のテストです。
けれども、小テスト結果を貼り出すと自分に向き合うのが難しくなります。 お子さんが日々の小テストで多少悪い点を取ってきても「弱いところがわかってよかったね。」と励ましてあげてください。 英語を将来使えるようになるには、継続的で長期的な勉強が必要です。些細なテストでやる気をへし折ったりしないであげてくださいね。